勘定科目の基本的な判断基準

企業会計原則に従った基本的な考え方

会計処理を行う際に勘定科目を判断する基準として企業会計原則に従う必要があります

企業会計原則は主に8つ(7つの一般原則+1)の原則がありますが、勘定科目を判断する際に考慮する会計原則は主に以下の3つです


・継続性の原則・・・同じ取引については、継続的に同じ勘定科目を用いる必要があるという原則です

          勘定科目に困った場合は、過去の取引を参考に基本的に同じ科目を使うようにします

         過去にはその取引がなく初めて出てきた取引は次に記載する重要性の原則を考えてみてください


・重要性の原則・・・重要性の高いものについては厳密な処理をしなければならないという原則。半面、重要性の低いものは簡便な処理が認められると言えます

          重要性には、質的に重要なものと量的に重要なものがあります

          質的に重要なものとは、売上・仕入・人件費等、金額の大小に関わらずその内容自体が重要であるため、常に厳密な処理が必要となります

          量的に重要なものとは、金額の大きいものは重要であるということです。金額が小さいものは簡便な処理が認めれるということでもあります

          例えばティッシュや消しゴムを少量購入したといった質的・量的に重要性が低いものは簡便な処理で、

          どちらも消耗品費として処理してもいいということになります

          ティッシュを購入した場合、該当する勘定科目として福利厚生費や消耗品費、事務用品費が思い浮かぶことと思います

          文房具を購入した場合も同様でしょう。どれを選んでも正解ですが、一度選んだらそれをずっと続けなければいけません

          ただし、ドラッグストアがティッシュを仕入れたり、文具店が消しゴムを仕入れたりした場合は、質的に重要な「仕入」になるため

                              少額でも厳密に処理をしなければいけません

          勘定科目に困った場合には、重要性を判断して、重要性が低いようなら簡便な処理が認められます。継続性の原則は忘れないようにしてください

         


・明瞭性の原則・・・財務諸表によって利害関係者に必要な会計事実を明瞭に表示し、判断を誤らせないようにしなければならないという原則です

          勘定科目の判断の上では総額主義ということで関わってきます

          費用収益は相殺後ではなく、すべての取引を総額で表示しなければいけません

          取引が相殺されていて困った場合は、相殺されていない状態に直して考えてそれぞれの取引の勘定科目を判断します


勘定科目を判断する際には上記のような原則を踏まえつつ判断します


なお、補足として他の会計原則は以下のものがあります

真実性の原則、正規の簿記の原則、資本取引損益取引区分の原則、保守主義の原則、単一性の原則

上記5つの会計原則の解説はまた別の機会に

国税庁の必要経費の説明

以下のリンクは国税庁の所得税確定申告用の説明ではありますが、各勘定科目が持つ範囲の説明として法人でも参考になります

個人に課税される所得税と、法人に課税される法人税は費用の範囲が同じではないため全ての説明が法人で使えるわけではありません

法人の経理処理の上で見る場合はあくまで参考としてご覧ください

なお、リンク内にある「やさしい必要経費の知識」の項目は完全に所得税専用です。法人に該当するものではありません

国税庁の必要経費の説明(所得税)